これから会社を作るとき、意外と迷うのが「決算月をいつにするか」です。日本では3月決算の会社が多いため、なんとなく「会社は3月決算にするもの」と思われがちですが、法人の決算月は3月でなければならないわけではありません。会社の状況に合わせて、自由に決めることができます。
実際、日本では3月決算が最も多いものの、9月決算や12月決算の会社も少なくありません。国税庁の統計でも、3月決算が最も多く、次いで9月、12月が多い傾向が見られます。
3月決算が多いのはなぜですか?
日本で3月決算の会社が多い背景には、国や自治体の年度が4月から翌年3月までとなっていることや、人事・採用・予算の区切りが4月始まりになりやすいことがあります。そのため、大企業や公的機関と関わりの多い会社では、3月決算が選ばれやすい傾向があります。
ただし、これはあくまで「多い」というだけであって、すべての会社に3月決算が向いているという意味ではありません。特にこれから起業する会社では、世間の慣習よりも、自社の実務に合っているかどうかを優先して考えることが大切です。
起業したばかりの会社は、決算月を自由に考えてよい
法人税の申告は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に行います。つまり、3月決算にすると、4月・5月は決算書の作成や税務申告の対応が集中しやすくなります。
起業直後は、営業、採用、資金繰り、経理体制づくりなど、やることが多い時期です。そのなかで決算や申告準備まで重なると、想像以上に負担を感じることがあります。だからこそ、最初の決算月は「一般的だから3月」ではなく、「自社にとって無理のない時期かどうか」で決めるのがおすすめです。
9月決算・12月決算を選ぶメリット
9月決算や12月決算を選ぶと、3月決算が集中する時期を避けやすくなります。税理士事務所側でも、3月決算の申告が集中する春先はどうしても繁忙期になりやすいため、それ以外の決算月であれば、比較的余裕を持って対応しやすい場合があります。
その結果として、事務所によっては、打ち合わせ日程を取りやすかったり、相談に丁寧に対応してもらいやすかったり、料金面でも柔軟に相談しやすかったりする可能性があります。もちろん、料金体系は税理士事務所ごとに異なるため、必ず安くなるとは限りませんが、少なくとも「3月決算一択」と考える必要はありません。
決算月を決めるときに見ておきたいポイント
決算月を選ぶときは、まず自社の繁忙期を避けられるかを考えたいところです。売上が集中する時期や、採用・人事で忙しい時期に決算対応が重なると、日常業務にしわ寄せが出やすくなります。
また、納税の時期と資金繰りの相性も重要です。決算の2か月後には申告・納付の時期が来るため、その頃に資金負担が重くなりすぎないかも確認しておく必要があります。さらに、税理士や会計ソフトの運用体制を整えやすい時期かどうかも、起業初年度には大切な視点です。
起業時の決算月は「慣習」より「経営しやすさ」で考えましょう
会社の決算月は、一度決めたあとでも変更は可能ですが、最初にある程度自社に合った時期を選んでおくと、その後の運営がスムーズになります。
これから起業する方にとっては、「みんなが3月だから」ではなく、「自分の会社にとって管理しやすいか」「無理なく決算・申告に向き合えるか」という視点がとても大切です。9月決算や12月決算は、その選択肢として十分に現実的です。
決算月は、単なる形式ではなく、今後の経理・税務・資金繰りにも関わる大事な設計です。起業前の段階で迷う場合は、設立時期や事業の繁忙期を踏まえて、税理士に相談しながら決めることをおすすめします。